新しい燃料としての利用
2021年12月23日、宇部興産株式会社、住友化学株式会社、三井化学株式会社、三菱ガス化学株式会社の4社は共同で、アンモニアの安定供給に向けた検討を開始すると発表した。
生産量のほとんどが、肥料や化学製品の原料となっているアンモニアであるが、燃焼時に二酸化炭素を排出しないことから、次世代の燃料として注目されている。
有効な利用方法が開発されるにつれ、今後は需要量も各国で急速に増加するものと考えられ、安定的、かつクリーンな燃料としてのアンモニアの生成と供給が必要となる。
なお、2021年10月に日本政府からも、第6次エネルギー基本計画にアンモニアの安定確保が盛り込まれており、化石燃料からの脱却、温暖化抑制へのカギとして期待される。
再生可能エネルギーでの生成研究が進む
アンモニアは化石燃料から生成することが一般的であったが、近年では太陽光をはじめとする、再生可能エネルギー利用での生成研究が進んでおり、実用化の目途が立てば、完全に燃焼時に二酸化炭素を排出しない、化石燃料の代替えとして利用が進むであろう。
すでにガスタービンによる発電が成功しており、アンモニアだけでなく、メタンなどの混合燃料での燃焼実験も進んでいる。
ただし、アンモニアは燃焼安定化しにくいため燃焼の管理が難しい、窒素酸化物が生成されるというデメリットがあり、問題をクリアするための研究が行われている。
なお、近い将来、エンジンなどの内燃機関で使用することも可能になると見られており、一気にカーボンニュートラル促進に期待がかかる。
(画像はプレスリリースより)

三井化学株式会社
https://jp.mitsuichemicals.com/