ゲームサービスの「Roblox」上に新規開設
オーディオストリーミングサービスのSpotifyは米国時間の5月3日、オンラインゲームプラットフォームの「Roblox」上に、オリジナルのメタバース「Spotify Island」を開設したことを発表した。
Spotifyとしてメタバース事業へ参入したものとなる。音楽ストリーミングサービスのブランド・企業として、メタバースに着手したケースは先例がなく、初の事例になるとみられる。
「Roblox」は、主にティーンを対象とするオンラインゲームプラットフォームだが、公式ゲームのコンテンツを楽しむだけでなく、ユーザーが自らゲームを自作し公開、プレイしてもらったり、他のユーザーのゲームをプレイしたりすることもできる。人気ゲームの開発者となれば、収益化も期待できるとされる。
またさらに、独自のアバターにより、仮想世界の中でユーザー同士がコミュニケーションをとって楽しむメタバース的楽しみ方ができる環境が整っている点も特徴的で、新型コロナのパンデミック発生なども背景に、このコミュニティが活発化したことから、「Roblox」全体としても、徐々にメタバースを強化する方向性を打ち出してきている。
アーティストと交流する、音楽を楽しむ……自由な冒険世界がここに
「Spotify Island」は、この「Roblox」内に作られた、Spotifyによる音の楽園としてのインタラクティブな仮想世界。このメタバース世界の中で、ユーザーは自由に音楽を作って新しいサウンドを楽しんだり、他の音楽ファンユーザーとコミュニケーションをとったり、限定のバーチャルグッズを手に入れるといったことができる。
音楽を作る上では、Soundtrapが提供する、バーチャル・ビートメーカー・ステーションが利用でき、これによって多彩なサウンドの制作・探究が可能、没入感のあるオーディオ体験ができるようになっている。
仮想空間の島には、あちこちに音楽的なイースターエッグが隠されており、これを発見して楽しむエッグハントができる。ポイントを多く集めたプレイヤーは「The Charts」で発表される仕組みで、チャート上位を狙う楽しみもある。
著名・無名問わずアーティストとの交流も、メタバースらしいスタイルで自在に可能となり、アーティストとファンの新たなつながりの機会とかたちが創出される。
ユーザーには、ハートの「いいね!」アイコンを集め、商品と交換するチャンスもあり、無料の限定グッズをアイコンで入手したり、有料で販売されるバーチャルグッズを購入したりすることが可能だ。グッズの売り上げの一部は、提供アーティストへと直接還元される。
ユーザーは、メインの「Spotify Island」から、年間を通じて登場するさまざまなテーマ別の島々へ移動しながら、マルチに音楽体験を楽しんでいくことになるという。
まず今春にも「K-Park」が誕生するとされ、こちらにはStray KidsやSUNMIが参加予定となっている。
没入感のある多様な音楽体験を通じ、アーティストとファンの新たな交流や、ゲーム、アニメーションなどとのコラボレーションなど、さまざまな展開が繰り広げられていくと予測される。注目のメタバース動向のひとつとして、こちらもチェックしておきたい。
(画像はプレスリリースより)

Spotify プレスリリース
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