低濃度二酸化炭素を回収し精製へ
2023年5月9日、エア・ウォーター株式会社は、工場やごみ焼却炉などから排出される二酸化炭素を回収精製し、ドライアイスや液化炭酸ガスを製造することが可能な装置の小型化に成功したと発表した。
一般的に工場やごみ焼却で発生する二酸化炭素濃度は約10パーセントと低く、回収し精製するには大がかりな装置が必要となっていた。
因みに、従来炭酸ガスを製造するには、製油所やコンビナートなどで発生する副生ガスを利用するが、濃度が90パーセント以上となることから、回収可能な施設が限定されていた。
しかし、近年の需要減少に伴い製油所閉鎖が相次いだ影響で回収量も減少している状況である。
炭酸ガス輸送の係る経費も大きい
製油所は全国各地に存在するわけでなく、場所が限定されるため、炭酸ガスの製造場所と需要が見込まれる場所をつなぐためには輸送が必要であるが、遠距離である場合輸送経費も多くなる。
輸送経費だけでなく、運搬時に発生する二酸化炭素排出量も増えることになり、回収事業のはずが増やす結果となり矛盾が生じることになる。
今回は、装置のコンパクト化にも成功しているため、小規模事業所に設置が可能であり、近距離での輸送にシフトすることで、二酸化炭素削減効果が生じる。
(画像はプレスリリースより)
エア・ウォーター株式会社
https://www.awi.co.jp/