AI搭載デザインツールをワンパッケージで提供
Canvaは現地時間の10月4日、AIデザインツールをひとつのパッケージにまとめた「Magic Studio」を発表した。多様なユーザーが同一のプラットフォームにおいて活用でき、最先端のAI技術を活かしたデザイン力を創造的に駆使することを可能にする画期的なパッケージ機能としている。
昨今、新しいAIツールが多数登場しているが、これらはプロ向けであったり、特定のことしかできなかったり、それぞれ多様かつ複雑なプラットフォームに散らばっているなど、実際の現場に導入しようとすると、その良さを最大限に引き出すことが困難なケースが少なくない。
しかし「Magic Studio」であれば、複数のツールを切り替えたり、異なる膨大な数のソフトウェアについて学んだりする必要もなく、多様なAI搭載機能を誰もが無理なく使いこなせるという。
専門的なデザインスキルをもたない人でも高品質な作業結果を得られるよう、スマートなサポートが提供される設計になっており、考えをかたちにするクリエイティブなプロセスはもちろん、あらゆるワークフローの効率的な進捗を強化、改善することができるとした。
無料で使えるオンライングラフィックデザインツールの「Canva」では、「Magic Write」や「Magic Design」、「Magic Edit」など、多様な便利ツールのリリースを重ねてきていたが、今回、これら全てを「Magic Studio」に集約、さらに機能を強化させて提供するものとしている。
自然な言葉の指示で自在にクリエイト
「Magic Studio」に含まれる多彩なツールには、以下のようなものがある。
「Magic Design」は、自然言語によるアイデアの入力で、求める洗練されたデザインコンテンツを簡単に手にできるツール。動画やプレゼンテーションコンテンツ、その他メディアコンテンツを素早く自在にデザインしていくことができる。カラーパレットなどスタイルを選択すると、瞬間的に最適なカスタマイズが施せるといった特徴を有する。
「Magic Switch」は、ホワイトボードやプレゼンテーションの内容を文書化したり、既存コンテンツの翻訳を行ったりすることができるもの。多様な形式のメディアを、新たな使用先に合わせた形式に変換する作業を効率化する。
画像編集関連のツールは多く、次のような機能により、「Canva」は大いに進化するという。
「Magic Grab」は、写真画像の任意の部分を選択し、サイズ変更や各種編集、移動をスムーズに行うためのツール。テキスト挿入なども素早く行える。
「Magic Expand」では、縦長写真を横長写真としたり、画像の拡大や枠外部分の自動生成を行ったりすることができる。限られた素材をより思い通りのクリエイティブに仕立てることが可能だ。
「Magic Morph」は、プロンプトを入力することで、作成した図形やテキストに任意の特殊効果を付し、色やデザインパターン、質感、その他詳細要素を加えるといったことができる。
「Magic Edit」は、「Canva」のブラシとAI入力で対象画像の加工を実行し、グラフィックの編集作業や置き換え作業が行えるもの。色合いを変更したり、背景に別の素材を追加したり、見た目の質感を新たに作り出して適用する、現実にはない組み合わせの画像を生成するなど、複雑で何時間もかかっていた編集作業をわずか数秒で完了できるようにする強力なツールとなっている。
「Magic Media」では、テキスト指示や画像から動画を自動生成したり、欲しい画像を言葉による指示で得たりすることが可能。簡単なスケッチからプロ水準の写真や3D画像、任意のアート風な仕上がりとなったコンテンツ、短尺動画などを特別なスキルなく生成できるという。
「Magic Animate」は、アニメーションツールでデザインに生き生きとしたビジュアル効果を付与できるツール。フォントにも適用でき、プレゼン資料や動画をより高品質で印象的なものに仕上げられる。
「Magic Write」は、OpenAIのプロンプトを活用し、まとまった文章の生成や書き直しを支援するもの。自社のブランドトーンを指定し、それに適したコピーを生み出させるといったこともできる。
ビジネス利用可能な安全性と責任も担保
このほか、「Canva」のアプリマーケットプレイスには、GoogleやOpenAIなどによる多様なパートナー製アプリも集約されており、これらの中から気に入ったものを見つけてワークフローに組み込んでいくこともできるとした。
また、Canvaでは、これらのツール・機能を提供するにあたり、どのようなビジネスの場においても、安全でプライベートな、セキュアなプラットフォームであることを重視、業界を牽引する強固な安全性とプライバシー保護、セキュリティ管理を実現する「Canva Shield」を導入している。
法人向けサービスでは、「Canva Shield」に補償も含まれており、AIを用いたコンテンツ生成を行うチームにより大きな安心を提供していくとした。
さらに、デフォルトでは「Canva」が利用者のアップロードしたメディアやデザイン内のテキストなどをAIモデルの学習に使用しないことを確約。安全で責任あるAI開発に取り組んでいることを強調した。
なお、ユーザーがツールを活用する上で、コンテンツから学習させたい場合には、設定を変更することで対応させる仕組みも用意されている。
(画像はプレスリリースより)
Canva プレスリリース
https://www.canva.com/newsroom/news/magic-studio/