スタートアップ輩出を目指す社員アイデアコンテストから事業化
株式会社NTTPCコミュニケーションズ(以下、NTTPC)は8月28日、IoTビジネスにおけるゲートウェイやエッジ装置などのエッジにおける動作状況把握や、そこで動作するエッジアプリケーションの運用負荷削減を実現する閉域型SaaS「エッジマネジメントサービス」をリリースすると発表した。
2021年度におけるドコモグループの新規事業創出プログラム「docomo STARTUP」(当時の名称は「DigiCom」)で社員から出された事業アイデアのうち、上位3チームに選ばれるなど高い評価を受けていたものを事業化した新サービスとなっている。
近年はIoTの活用が拡大し、多様な分野における新規事業参入や、そのサービスを主な事業内容とするスタートアップの誕生も多くみられている。
そうした中で、とくにエッジコンピューティングへのニーズは高まる一方であるほか、この技術を活かしたデータのリアルタイム処理や通信コストの最適化、情報漏洩リスクへの効果的な対策などに寄せられる期待も大きくなってきた。
しかし、IoTの普及に伴い、IoTやエッジコンピューティングの導入を進める上で、新たな困難や壁にぶつかる事業者・開発者も少なくない。
NTTPCによると、そうしたケースのうち約7割が運用フェーズにかかる問題であるという。結果として、この運用マネジメントの課題が、IoT及びエッジコンピューティングの効果を妨げている事例が多いことが分かってきた。
セキュアにリモートで一元管理、負荷を最小化
こうした背景から生み出されたのが「エッジマネジメントサービス」となる。
このサービスでは、NTTPCが長年の提供実績を誇る閉域通信網を利用し、ネットを経由しないセキュアな環境下でエッジやエッジアプリ、SIMをリモートで一元管理するための運用基盤をSaaS提供する。
ユーザーは手間なく、分かりやすいかたちでIoTゲートウェイの監視はもちろん、エッジアプリケーションやSIMの接続状況(今後対応予定)の展開と管理を遠隔から行えるようになる。
管理者や技術者がその都度現地に向かう必要もなく、移動コストの削減や高所作業など過酷な現場特有のリスク回避ができる。
高セキュリティな閉域通信網を利用する形式であるため、センサーデータなどの通信秘匿性を向上させたり、悪意あるアクセスの脅威からエッジを保護したりと、安定運用に向けた対策も整えやすくなるとみられる。
IoTの導入や継続的運用を容易にする方法として、こうした一元管理の統合マネジメントシステムが基盤としてあることが理想的と分かっていても、一からそれを自社開発するとなるとハードルが高かったが、「エッジマネジメントサービス」なら同サービスの契約のみですぐに利用を開始でき、スモールスタートが可能だ。
基本料としての初期料金は無料で、テナント月額料金と利用状況に合わせたIDの月額料金さえ負担すればよく、初期投資を抑えて必要に応じた拡張も容易、柔軟に利用できるメリットもある。
テナント料としての月額料金は1万円、ID料は1ID当たり800円で、1IDから契約できる。ただし利用に際しては「Master's ONE」の契約が必要となるほか、最低利用期間12カ月の条件がある。詳細はホームページなどで確認してほしい。
(画像はプレスリリースより)
株式会社NTTPCコミュニケーションズ プレスリリース
https://www.nttpc.co.jp/press/2023/08/202308281500.html