ヘルスケア業界の専門知見×生成AIコンサルティングを新サービスに
PwC Japanグループ(以下、PwC Japan)は7月10日、ヘルスケア企業向けに生成AIを用いたPoC(Proof of Concept:概念実証)の実施支援を行う新サービスをリリースすると発表した。
生成AIの専門タスクフォースとヘルスケア分野の知見を有する専門チームが密に連携をとって、日々進展するテクノロジー動向を十分に踏まえつつ、安全かつ有効に利活用できるよう、ヘルスケア企業ならではのニーズにも手が届く支援サービスを提供していく。
昨今は生成AIの一大ブームともいえる状況が発生し、その進化と活用にあらゆる領野から高い関心が寄せられている。この動向に大きなパラダイムシフトを感じ、ビジネスへの活用検討を開始した企業や自治体も多い。
ヘルスケア業界も例外ではなく、自社ビジネスの変革に向け、活用可能性が模索されているが、ビジネス内容が人々の健康や生命に直結する特性を有するため、高い安全性と科学的正確性が求められ、さまざまな義務や法規制が課されてもいることから、現状の生成AIが抱える多様な課題にどう向き合うかなど、より慎重な判断と適切な対応が必要な難しさがある。
生成AIをめぐっては、著作権の帰属や倫理的問題、セキュリティ及びプライバシーにかかるリスク、事実誤認が見つけづらいハルシネーションなどを中心に問題が指摘され、社会に与える影響度の大きさを鑑み、欧米諸国では一時的な規制強化を決める向きもみられている。
業界固有のニーズやリスクを踏まえて細やかにサポート
こうした状況を受け、PwC Japanでは、生成AIに関する専門性と、ヘルスケア業界のビジネスや関連法規制などに精通する知見を融合した支援サービスの必要性を強く感じ、今回のリリースを決めたという。
サービスの対象になるのは、主に製薬企業や医療機器メーカー、病院、ヘルスケア業界に参入するテクノロジー企業など。こうした対象へ、業界固有のニーズやリスクを考慮しながら、生成AIの活用によるビジネス変革の可能性を検証するPoCをサポートする。
新たな技術だからこそ、リスクに配慮しつつ実際のデータや業務を対象に仮説立案と検証を繰り返すことが重要であり、PoCの十分な実施が迅速に、無理なく行えるよう、また有意義なインサイトを得られるよう支援を行うとする。
具体的なサービスとしては、その企業特有の各機能・部門に想定されるユースケース仮説の立案、取得・活用可能なデータの調査・加工・投入といったデータ準備、コンテンツのトライアル生成と業務適用度の評価、投入データとプロンプトなどのチューニング実施、本格導入に向けた技術・運用・管理面での要件や検討事項の洗い出しとその対応計画の策定などを挙げる。
また、関連する法規制や税制、業界特有の規制やリスクを踏まえた要件、検討事項の洗い出しと対応計画を作成するといった規制関連のサポートも提供する。
コロナ禍でのデジタル化推進や、医療従事者の働き方改革など、大きな変化の時代に突入しつつある日本のヘルスケア業界にとって、生成AIはより大きなインパクトをもたらすものになり得る。
PwC Japanは、すでに今年4月から生成AIコンサルティングサービスの提供を開始しており、そのノウハウや高い専門知識も活かしつつ、ヘルスケア業界ならではの課題やニーズに対応したサービスの提供を目指していくとの方針を示した。
(画像はPixabayより)
PwC Japanグループ プレスリリース
https://www.pwc.com/